親の困りごとは、物よりも「想い」だったのかもしれない|実家整理を前に
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「実家の整理」と聞いて、思い出すこと
帯を飾るための額縁についてご相談を受けていて、
会話の流れの中で、こんなお話を聞くことがありました。
「高齢になっていた親は、困っていてもそれを口にしなかったのかもしれない」
額縁そのものの話から少しそれて、
実家のこと、親の持ち物のこと。
ふとした瞬間に、ぽつりと語られるお話があります。

高齢になった親は、何も言わずに抱えている
額縁のご相談の中で、こんな言葉を耳にすることがあります。
「母は、特に困っている様子はなかったんです」
「父も、何も言わなかったので…」
けれど、実家の整理を意識し始めたとき、
押し入れの奥にしまわれた着物や帯、古い箱のことを思い出す。
どれも、簡単には手放せないものばかりです。

「捨てられない」は、簡単なことではなかった
額縁のご相談を通して感じるのは、
多くの方が
どうしていいかわからないまま、時間だけが過ぎてしまったもの
を抱えているということです。
高価だったと聞いているもの。
誰かから譲られたもの。
長い時間を共にしてきたもの。
もう使うことはない。
それでも、捨てる決断はできない。
そんな気持ちを、
子どもに迷惑をかけたくないから
言葉にせず、しまっていたのかもしれません。

実家の整理で、あとから知る親の気持ち
ある方は、こんなふうに話してくださいました。
「母が亡くなってから、
あの帯がどれほど高価だったかを知りました。
だから、ますます捨てられなくなってしまって」
生前、親は何も言わなかった。
でもそれは、何も感じていなかったからではありません。
ただ、
子どもに負担をかけたくなかっただけ
だったのかもしれません。

親の困りごとは、物ではなく「想い」
額縁のご相談の中で出てくるのは、
「どう飾るか」という話だけではありません。
そこには、
親が大切にしてきた時間や記憶が、
静かに重なっています。
すぐに答えを出さなくても大丈夫です。
大切にしてきたものだからこそ、
少し時間をかけて向き合っていただけたらと思います。
